小庭の穴掘り

        (雀も住宅難?地上わずか2.5mで抱卵中)
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4月に入ってから篠田節子の小説を楽しく読み継いだ。
中でも「カノン」は、市役所職員を退職し、小説家として専念し始めた著者の心境を彷彿しているようで共感。

        (草撮り爺さんこと埴沙萌の真似をして、ヒメツルソバの花)
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主人公瑞穂と一つ年上の康臣正寛の三人は、19歳の夏、音楽の合宿という目的でひとつ屋根の下で約二十日間を共にした。
それから20年、康臣が自殺し、遺書がわりに送られてきた幻聴のような調べが録音されたカセットテープによって、瑞穂たちに奇怪な出来事が続く。

        (ユリに似た香りを漂わせるドイツスズラン)
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三人の男女の愛と夢、失意と虚無、そして自殺の陰に隠されていたあの夏の謎が、バッハのカノンの調べに導かれるように解明されていく。

        (小庭のあちこちに派手な存在、君子蘭)
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そして、20年の歳月で築かれてきた家庭や社会的地位をご破算にして、本来の自分に戻り、ゼロから積み上げる決意をする結末へ。

        (老人にも幼児にも柔らかな陽射しが注ぐ木場公園)
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謎を解く鍵は、康臣正寛たちが憧れ、進学高校内でナスターシャと呼ばれた宏子
その彼女の回想を7章から抜粋:

        (大横川にもクラゲうじゃうじゃ、今夏も猛暑?)
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お恥ずかしい話です。まだ、人の心も世の中のこともわかっていなかった時代でした。何か、こう、高尚な理念というのか、理想のようなものがあって、それに沿って今まであることを全部壊して、何もないところに理想の社会を作らなくちゃいけない、そうすることで人はいっぺんに幸せになれるような、そんな幻想を抱いていたのですね。
あの事故(小庭師の注釈:20歳の夏、列車に飛び込んで右手を失った事故)は必要な試練でした。病院にいた二年の間に、色々なものが見えてきたんです。そうしたら自分は何を焦っていたのだろうと気づきました。
医療も福祉も、世の中全体のことが、一人一人の地道な活動によって支えられていくという、ごくあたり前のことを、体の一部を失うことでようやく理解できたのかもしれません。志なんて言えるほど立派なものはないんです。ただ、毎日を積み重ねていくだけですもの。

        (枯れた原因?深さ1.2m、かすかにドブの匂い)
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この20年、日本も世界も閉塞感・停滞感に覆われている。
耐用年数が過ぎた道路・橋・トンネル等を一律に改修する公共事業を増やしても、マネタリーベースを2倍にさせながらリフレ政策を実行しても、大企業や資産家・投資家が潤うだけで、効果は疑問。

        (掘り出した0.5立米の土から貝塚?)
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その点、小庭師は、千両が枯れたらその原因を解明するために、地中深く掘り下げて見る。
来るべき春や秋に焦点を合わせて、良いものはそれを伸ばし、悪いものは根本から見直す

        (昭和20年代からのごみ捨て場だもんな)
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春の花ばかりが目立つなら、秋の花や紅葉する樹木を取り入れてみる。
通風が悪いなら、万年塀を低いフェンスに替えてみる。
小庭全体を再構成するのは、この時期しかないぞ。なんちゃって。

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