辞世百句その11 「葉隠」の語り手 山本常朝

        (1月遅れでやっと一輪、江戸紫の絞りの大輪)
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また日がな一日、ゴロゴロと葉室麟の「橘花抄」。
テレビ番組からチャンバラ時代劇が消えてから、時代小説は、心を癒してくれる貴重な清涼剤。

平成9年に藤沢周平が亡くなって、しばらく淋しさを募らせた。
平成17年に「乾山晩愁」で葉室麟が遅咲きデビューし、心の穴を埋めてくれた。

        (落雪で傷んだサボテン、2日間だけ開花)
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藤沢周平が、出身地庄内地方を想起させる海坂藩(うなさかはん)なら、葉室麟も、出身地の福岡の秋月藩や佐賀を舞台に、史実を巧みに織り交ぜて中身の濃い作品を連発してくれる。

しかも、藩や愛する女性・家族のため、一命を賭する下級武士が主人公。その哀歓が泣かせてくれる。
もちろん、剣戟場面があるので、エンタテイメント性も魅力。
銀漢の賦」や「蜩ノ記」などの映画化が待ち遠しい。

        (果汁をダラダラ、恥も外聞もなくかぶりつき、甘露甘露)
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さて、みちのく小旅行の前に読んだ葉室麟「いのちなりけり」。
この最後の最後のページに、山本神右衛門の著した「葉隠」が出ていた。
あの「武士道と云は、死ぬ事と見付たり」の「葉隠」。

もちろんこの小説は、登場人物も事件の設定も9割方はフィクション。
小説では、山本神右衛門は、同じ石田一鼎門下で、主人公の雨宮蔵人(実在するモデルは志田吉之助?)を慕い奔走している。

        (節水を考えて雨の中、モップと洗剤で車庫の屋根を洗浄)
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では、実在の山本常朝(市十郎⇒権之丞⇒神右衛門⇒常朝)は、既に戦国乱世から泰平治世へ移り変わってしまった時代をどう生き、どう悟ったのか?
長くなるので、岩波文庫「葉隠」(上・中・下)ほか多数の文献に任せることにしよう。
常住不断に忠義のために死する覚悟で奉公することが、一生落ち度なく己の役目を果せる急所・肝どころ、と小庭師は理解した。

        (ちょっと緊急事態発生で、写真は割愛)

そして、「葉隠」が田代陣基により書きとめられ、編集されたとされる享保元年から3年後、
山本常朝は、つぎの一首を辞世に、木の葉隠れに土に還った。享年61歳。

尋ね入る深山のおくの奥よりも しづかなるべき苔の下庵
虫の音の よわりはてぬるとばかりを かねてはよそに 聞きて過ぎしが

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この記事へのコメント

ひろ
2014年06月30日 17:12
映画「蜩ノ記」公式サイトで予告編を観ることが出来ます。
期待が持てそうです。

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